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日本ならではの栃木レザーと姫路レザーはご存じですか?

レザーといえば何レザーを思い浮かべますか? 牛革(カウレザー)、馬革(ホースハイド)、豚革(ピッグスキン)、ヤギ革(ゴートスキン)、ひつじ革(シープスキン)、シカ革(ディアスキン)などなど。 さまざまな種類がありますが、日本ならではの栃木レザーと姫路レザーはご存じでしょうか。 もちろん知ってるよ!という方も、違いは何?と聞かれてすぐに答えることはできるでしょうか? どちらも高品質で素晴らしいレザー...

レザーといえば何レザーを思い浮かべますか?

牛革(カウレザー)、馬革(ホースハイド)、豚革(ピッグスキン)、ヤギ革(ゴートスキン)、ひつじ革(シープスキン)、シカ革(ディアスキン)などなど。

さまざまな種類がありますが、日本ならではの栃木レザーと姫路レザーはご存じでしょうか。

もちろん知ってるよ!という方も、違いは何?と聞かれてすぐに答えることはできるでしょうか?

どちらも高品質で素晴らしいレザーですが、今回は少しマニアックな栃木レザーと姫路レザーの違いについてお届けします。

栃木レザーとは?

栃木レザーとは、栃木レザー株式会社が製造する(日本の職人・タンナーたちが製造する)革のことです。

その名の通り、栃木県に会社があり、1937年から続く、老舗の皮革製造メーカーです。

牛革のヌメ革 (ベジタブルタンニン鞣し革)を専門に製造しており、、「原皮」から、「革」になるまで、20以上もの工程を経ております。

しなやかで丈夫なのが特徴で、さらに年月が経つにつれて、味わい深く変化していきます。

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姫路レザーとは?

これは、兵庫県の姫路地方で鞣し、製造された革のことです。

栃木レザーとは違い、会社、職人、タンナーでの違いではなく、兵庫県姫路地方特有の鞣し技法で製造された革、ということです。

国内に流通している革の70%はこの姫路レザーによるものです。

その歴史は古く、平安時代から続き、姫路市は皮革産業がとても盛んな地域です。

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姫路レザーと栃木レザーの違い

ここまでお読みいただくと、なんだ会社か地域だけで変わりはあまりないのか・・・。と思ってしまいますよね。

でも、それぞれの地域で革の鞣し方などにも大きく違いがあるのです。

革には鞣し(なめし)という大事な工程があります。

そのまま使用するのではなく、最後に乾燥を防いだり、防腐のための加工をします。

鞣しが革の個性の決め手と言って過言ではありません。

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姫路レザーと栃木レザーの決定的な違いは、「なめし加工」が全く異なるという点です。

姫路レザーは主にクロムなめし、混合なめしを主とし、栃木レザーはタンニンなめしが

採用されています。なめし加工が異なると、当然ながら仕上がる革の性質や特徴も変わってきます。

それでは、姫路レザーと栃木レザーそれぞれの鞣しの違いを見てみましょう!

栃木レザーの鞣し方とは?

まず、仕入れられた原皮は腐敗防止のために塩漬けされています。

その塩漬けされた原皮を24時間ドラムで水洗いして表面の塩分や汚れを落としたり、皮から抜けた水分をしっかり補給します。

その後、この後の工程で作業しやすくするために、洗浄した革を背骨のラインに沿って二つに割ります。

この際、チーキングと呼ばれる原皮の首周りの厚みを調整する作業も行います。

その後、石灰乳と呼ばれる液体を5段階の濃度に分けて漬け混み、さらにフレッシングと呼ばれる大きなローラーで挟み革の表面を整えていき、その後脱灰をします。

そして、栃木レザーの重要な個性、鞣し加工を行います。

栃木レザーはベジタブルタンニン鞣しです。

ミモザのタンニンを数十年継ぎ足しながら、濃度の薄い槽から順番に約30日掛けて鞣し上げていきます。

ここで弾力性に富みながらも腐敗しにくい革にしていきます。

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その後水洗いをし、オイルで油分を浸透させます。

そして、最後にオイルが入って柔らかくなった革を伸ばし約10日干して乾かし、終わりとなります。

かなりの期間をかけてレザーを仕上げています。

タンニンなめしは非常に手間がかかるうえ、時間も要するので、クロムなめしと比較すると

国内では採用する企業が少なくなっています。

しかし、職人の手によってじっくり時間をかけて作られるその革製品は耐久性と伸縮性に優れ、

またタンニンなめしならではの革の色合いや質感、表情の変化といった経年変化を楽しめるものと

して人気があります。

姫路レザーの歴史とは?

姫路レザーについてはまず歴史からお伝えします。

平安時代末期の法令集「延喜式」の中でも記されている姫路の革産業。

そのころからも、当時の武士から相次いで求められるようなしなやかで上質な強い革でした。

姫路で革産業がおこなわれたのには、5つの条件がそろっていたからでした。

  1. 皮鞣しをするのにふさわしい穏やかな流水と、広い河原があった。
  2. 西日本では多くの牛が飼育されていたため、原料である牛皮が手に入りやすかった。
  3. 瀬戸内海の気候の特長として、比較的温暖で雨も少ない土地で、天日干しがしやすかった。
  4. 海に囲まれているので皮の保存や処理に必要な塩が入手しやすかった。
  5. 大阪や京都など、政治・経済・消費の中心地と近い関係にあった。

このように条件がそろっていたので、姫路レザーは長きにわたり革産業に栄え、歴史あるレザーを生産する名所になりました。

姫路レザーの鞣し方とは?

姫路レザーの鞣しは用途によって鞣し方をいくつか変えています。

主にクロム鞣し、そしてその両方を合わせた混合鞣しという手法で鞣していきます。

クロームなめしは、製造工程において化学薬品である「塩基性硫酸クローム」を使用しており、

耐久性が高く傷つきにくい、伸縮性や柔軟性に優れる、熱に強い、経年劣化が出にくい、といった

特徴を持つ加工方法です。

鞣しまでの加工は栃木レザーと同じく、原皮水洗い、石灰漬、分割(スプリッティング)を行います。

その後鞣しを行います。

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その後水絞り、等級選別を経てシェービングという厚みを用途に応じて調節する裏削りを行います。

再鞣しを行った後に、オイルで油分を浸透させ、染色と伸ばしを行います。

その後、ガラス張り乾燥と真空乾燥をし、革を機械でもみこみ、またネット張りで乾燥させます。

その後ヌバックにする場合では表面を削って滑らかにし、塗装作業で染めて、型押しやアイロンかけを

します。

クロムなめしの特徴として、多彩なカラー展開が可能なこと、品質の均一化、また加工処理時間の短縮

による効率化も実現できるため、コストパフォーマンスの高い質の高い革を提供することができます。

現在、世界で流通している革製品の約8割は、このクロームなめしによって作られています。

まとめ

栃木レザーと姫路レザーの違いは、タンナーなのか、地域なのか。

そして鞣し方がベジタブルタンニンのみなのか、クロムなども使い分けるのか。

さらに機械をどのくらい使うのか。そのような違いが多いのかもしれません。

経年変化の度合いは、ベジタブルタンニン染めで染色も少ない栃木レザーの方が強く感じられます。

自然により近いという感じでしょうか。

姫路レザーは、同じく経年変化はありますが、柔らかく変わる印象で、様々な色彩を楽しめ、固すぎないので細かい加工もしやすいという感じです。

どちらも手間暇かけられている国産の素晴らしい革なので、好みで選ぶのがいいと思います。

知ってるおくとためになる栃木レザーと姫路レザーの違いはいかがでしたでしょうか。

ぜひレザーの奥深さを味わってください。

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